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充電式電池(二次電池)の種類と特性


     
 

充電池とは?

 
 

充電池とは、電池内部の電気を使い果たしても、充電すれば繰り返し使える電池のことです。正確には「蓄電池」「充電式電池」と言いますが、一般的には「充電池」と言うことが多いです。

使い捨てタイプのものを一次電池、充電タイプのものを二次電池といいます。

現在使われている充電池には様々な種類がありますが、その中でもよく利用されているものに、『ニカド電池(ニッカド)』 『ニッケル水素電池』 『リチウムイオン電池』の3種類があります。これらは電圧や性質がそれぞれ違うため、使用されるシーンも様々です。

 
     

●図解!電池のしくみ●

電動工具などでよく使われる、この3タイプをご紹介します!

【ニカド電池(1.2V)】

ニカド(ニッカド)電池の中身を図解

ニカド電池は、今から100年以上前の1899年にスウェーデンのユングナーが発明したものが最初と言われています。

【ニッケル水素電池(1.2V)】

ニッケル水素電池の中身を図解

1990年に世界で初めて、松下電気、三洋電機が相次いで量産化したのがニッケル水素電池です。

【リチウムイオン電池(3.7V)】

リチウムイオン電池の中身を図解

1991年にソニー・エナジー・テックが世界で初めて量産化しました。

電動工具の力は電池から

●大電流だけど自己放電や容量がちょっと…『ニカド電池』●

ドカンとフルパワー、ブツッと切れる。ニカド電池はそんな感じ。

この電池は、負極活物質にカドミウム、正極活物質にオキシ水酸化ニッケル 、電解液に水酸化カリウムを用いる電池で「ニッケル・カドミウム充電池」通称「ニカド(ニッカド)電池」とよばれます。

電圧は約1.2Vです。

ニカド電池は、最大500回程度の充電に耐えられる頑丈さがあること、安定した放電が連続で出来ること、優れた大電流特性(負荷特性)という特長を活かして、コードレス電話や、電動工具、シェーバー、非常照明等に現在も使われています。
しかし、自己放電による容量低下(一日放置しているだけでも、電池が減ってしまう)が多かったり、電気が残っている状態で継ぎ足し充電をすると、本来の充電容量が減少してしまう「メモリー効果」が発生するといった欠点があります。また、有害物質のカドミウムが含まれていることもあって、以前ほど多くは利用されなくなっています。
※メモリー効果についてはニッケル水素電池のところで詳しく説明しています。

makita 充電式クリーナー 4076DW

大電流が取り出せるニカド電池は、掃除機などモーターを使う機器に利用されることが多い。

マキタの充電式クリーナーの、500円玉も吸い込むパワーの源は、ニカド電池のハイパワー。

(写真は、マキタの充電式クリーナー4076DW


●電池容量はニカド電池の倍以上 「ニッケル水素電池」●

なだらかに電気が使用され、ちょっと暗くなってきたな~っと思うと切れるそんな感じ。

ニカド電池の欠点を補う形で登場したのが、「ニッケル水素充電池」です。正極活物質に水酸化ニッケル、電解液に水酸化カリウムを使用しているのは、ニカド電池と同じですが、負極活物質はカドミウムでなく水素吸蔵合金を採用しています。

水素吸蔵合金は、自分の体積の1000倍もの水素を蓄えることのできる金属であり、ランタンなどの希土類金属とニッケルなどの遷移金属からなる合金です。

ニッケル水素電池は、ニカド電池に比べて、倍以上の容量を保持でき、またカドミウムを含まないということで、ニカド電池からの置き換えが進みました。

基本的にはニカド電池同様、自己放電による容量低下や、本来の充電容量が低下してしまう、「メモリー効果」といった欠点もありますが、日々開発が続けられており、これらの欠点を抑えたニッケル水素充電池が数多く使用されています。

ハイブリッド自動車、一部のシェーバーやなどに使われていますが、一番有名なのは、三洋の「eneloop」などの電池形の充電池でしょう。

レッドレンザー H14R(OPT7499R)

自然放電が大きいことから、流通している間に電気が失われることが多く、そのために充電せずに出荷し、消費者が手許で充電を行って使用するということが多い。

写真は、LEDLENSER H14R。このLEDヘッドライトには、最新のニッケル水素充電池が使われています。

メモリー効果とは・・・

完全に使い切っていないニカド充電池、ニッケル水素充電池に、継ぎ足し充電を行うことで、その継ぎ足しを始めた段階の電池容量を記憶する(メモリー)ことにより、そのあとで電池を使っていてそのメモリーされた容量のところまでくると、著しい電圧の降下が起きます。それにより、機器側で従来必要な電圧がなくなったと判断し電池切れのランプが付いたり、電圧が足りないことで使用できなくなったりします。
しかし、電池自体の容量が本当になくなったわけではないので、リフレッシュさせることにより、本来の電池の性能を取り戻すことができます。

リフレッシュの仕方

電池の容量を開放するために、電池をいったん空にすることでメモリーを消すことができます。
具体的には、充電池に対応している機器を使って電池切れまで使用を続けるか、あるいは市販のリフレッシュ(オートディスチャージ)機能をもった充電器を使い空にする必要があります。
放電しすぎると、過放電(深放電)となることがあり、その場合は本当に電池を痛めてしまうことになるので、注意が必要です。
※メーカーによっては、充電池のリフレッシュをしてくれるところがあります。

●携帯電話、ノートPCなどモバイル機器の立役者「リチウムイオン」●

出だしはモソモソ。のってくると、安定した力を発揮。使えば使うほど力を貯めるタイプ。

ニッケル水素電池を越えるエネルギー密度を持つ電池として登場したのがリチウムイオン電池です。

この電池は、約3.7Vという高い放電電圧を持つリチウム系の充電式電池でありながら、リチウムの溶解・析出反応を伴わず、リチウムイオンを吸蔵・放出できる正極と負極の組合せで成り立っているため、500回以上の充放電に耐えることができるというのが大きな特徴です。

正極活物質としてコバルト酸リチウムを、負極活物質として炭素材料 が用いられてきましたが、最近では、ニッケルやマンガンを含んだ正極材料や、スズを含んだ負極材料なども実用化され、小型軽量化、高機能化が進むモバイル機器にはなくてはならない電池として、また、電動工具の軽量化にも大きく貢献しています。

ニカド電池やニッケル水素電池と比べ、重量が軽く、メモリー効果がほとんど無い。また、自己放電による容量低下が少ないなどの特徴があります。

しかし、容量以上に充電する「過充電」や、容量以上に電気を発する「過放電」によって、高発熱や発火、さらには爆発といった危険が伴う危険性もあります。そのため、市販されているリチウムイオン電池にはさまざまなな安全回路が盛り込まれています。

パナソニックの新製品。新しいリチウムイオン電池

写真は、パナソニックのリチウムイオン電池、 EZ9L45 「LS電池」
驚きの大容量、4.2Ah。軽量化で軽くて長持ちするタイプがぞくぞくと開発され、発売されています。

リチウムイオン、リチウムポリマー、リチウムフェライト・・・

リチウムイオン電池の発火事故などの安全面での強化のためもあり、後発で開発されたのが、リチウムポリマー電池、リチウムフェライト電池です。
リチウムポリマー・・・携帯などでよく使用される(iPod、iPhoneなど)。 ゲル状になっているので液漏れがなく、超薄型(1mm程度)の電池が作れる。ただし、過充電に弱く、発火の恐れがあること。過放電で、電池自体の性能がなくなること、管理が難しい点があります。

リチウムフェライト・・・安全面においては最強(発火の恐れが無い)です。過充電、過放電による電池の劣化もほぼありません。高価なこと、電圧が他のリチウム系にくらべ少し低いなどの欠点もあります。

●今後の充電式2次電池の行方は?●

ニカド電池は、前述のとおり有害な物質であるカドミウムを含んでいることもあり、市場からどんどん姿を消している状況です。
では、ニッケル水素電池とリチウムイオン電池はどうなのかというと、自己放電が非常に少ないこと、メモリー効果がないこと、小型で大容量の電気を蓄えられること、軽いことなどで、リチウムイオン電池が有利な立場にあることは間違いありません。

では、今後はリチウムイオンのみになるのか???というと、それは今のところ無いようです。理由はすごく簡単!!リチウムイオン電池はコストがかかるからです。素材が高価なものばかり。レアメタルやカーボンナノチューブなど。それこそ、金よりも高いものを使っています。
そして、過放電、過充電や、膨張、爆発を防ぐために、安全回路が必ず必要となり、充電器にも安全回路を内蔵したものを用意してあることが多いのも、コストを上げる要因の1つになっています。
そういうこともあり、電池が少々大きくても困らない電気自動車や、安さが売りのデジカメなどはニッケル水素が無くてはならない存在になっています。また、単3・単4など規格に合わせた電池を作れるのは、ニッケル水素の良いところです。
電池の特性をよく知って、安全に電化製品を使っていきたいものです!